鬼平犯科帳'81

鬼平犯科帳’81 麻布一本松

鬼平犯科帳(萬屋錦之助版)・第2シリーズ(鬼平犯科帳’81)・第15話:麻布一本松
初回放送:1981年7月21日

麻布一本松・あらすじ

火付盗賊改方同心・木村忠吾は、面白くなかった。なにが面白くないかというと、目の前にいる妻おたかである。
ぽりぽりと沢庵を食べる妻。真面目だけが取り柄の妻。いつも同じ顔。隅からすみまで知り尽くした体。いっそ遊女の姿になってくれたら、などと考えながら妻と一緒に朝食を食べている。
思わず「おもしろくない」と口走ってしまい、おたかに「なにが面白くないんですか?」と問われ、最近麻布に配置換えになったのが面白くないと誤摩化すのだった。

麻布の見回りをする忠吾。歩きながらも上の空で、お頭は俺を嫌いなんじゃないだろうか?などと、妄想しながらふて腐っている。
少し休もうと茶店によると、そこに良い女が通りかかる。良い女だ、妻とはまったく違うと、鼻の下をのばしてだらしない表情であらぬ妄想をする忠吾。
ついたまらなくなって、石を蹴飛ばすと、それが通りかかった浪人の顔面に当たってしまった。

詰め寄られる忠吾だが、さっきの女が見ていると気付くと、つい虚勢をはってしまい、尋常の勝負をいどまれてしまう。
これはまずい、勝てる相手ではないと思った忠吾は、支度をするとかがみ込んだと思ったら、浪人に向けて砂をかけ、ひるんだ好きに急所蹴りをして、一目散に逃げていった。

それから数日後。あの時の茶屋で酒を飲んでいると、例の女があらわれ、酌をさせてくれと寄ってくる。名をお弓といった。なんでも、嫌な浪人を追い払ってくれた礼をしたいそうだ。明後日、改めて合う約束をした。

女のことばかり考えて、仕事に身が入らない忠吾だったが、その日3人の怪しい男が、平蔵に文を届ける。
それには麻布一本松に来いと書かれていて、平蔵は忠吾をつれて麻布に行くのであった…

見どころ

物語前半は、火付盗賊改方きっての遊び人忠吾のエピソードが笑いをさそう。麻布一本松にて、平蔵と忠吾は襲撃を受けるのだが、この時の錦之助の殺陣がかっこ良い。抜刀の早さがすばらしく、ついつい見返してしまうほど。


オープニングクレジット

プロデューサー:片岡政義、市川久夫、中岡潔治
原作:池波正太郎(文藝春秋刊)
脚本:安倍徹郎
音楽:木下忠司

キャスト

長谷川平蔵:萬屋錦之助
木村忠吾:荻島真一
小房の粂八:藤巻潤
おたか:若原瞳

大沢萬之价
倉島襄
菅啓次
堀之紀
佃文俉郎
小林重四郎
川部修詩
花原照子
小坂生男
本田昭雄
平松慎吾
内田哲平
川原田三郎
うらべ竜次
太田政和
菊池俊二
高杉良
土井辰也
徳比呂志
黒川二郎

ナレーター:小林昭二
殺陣:松尾玖治、錦燿会

お弓:三浦真弓
酒井祐介:目黒祐樹
市口又十郎:新克利

監督:高瀬昌弘

エンディングクレジット

スタッフ

撮影:淵野透益
照明:内田皓三
録音:谷村彰治
美術:鳥居塚誠一
編集:大高勲
整音:T・E・S・S
選曲:宇賀神守宏
効果:東宝効果集団
助監督:横井洋
色彩計測:田中正博
記録:東紀子
タイトル:鈴木日出夫
演技事務:田中忠雄
俳優管理:田原千之右
制作進行:長沢克明
進行:加納譲治
制作宣伝:納村達夫
装置:横山英一
装飾:清水晋冶
美粧:鵜飼威志
技髪:川口義弘
衣裳担当:福田明
大道具:東京テレビアート
小道具:高津映画装飾
衣裳:東京衣裳
かつら:川口かつら
現像:東洋現像所
制作担当:平林俊夫、小島高治
プロデューサー補:菊池昭康
協力:生田スタジオ
制作:テレビ朝日、東宝株式会社、中村プロダクション