89年放送:鬼平傑作作品集

泥鰌の和助始末

泥鰌の和助始末(どじょうのわすけしまつ) ’8911月1日

【あらすじ】
腕の良い大工・和助が3年ぶりに江戸へやってきます。和助の子・磯太郎は、大工仲間・
孫吉の子として育てられ、今では小津屋の手代となっています。
ところが、磯太郎は、小津屋の旦那に金を使い込んだという濡れ衣を着せられ自殺。
和助は、一度はやめた盗賊へと再び戻り、息子の仇を討つため、小津屋に忍び込む。

【見どころ】
和助は、盗みによってわが子の無念を晴らそうとします。捕縛されると覚悟を決めてから、小津屋の証文書類を破って川へと流してしまう和助。
財津一郎の好演もあって、彼の心の内にある怨みが一気に噴出した、鬼気迫る場面です。

【ポイント】
原作は、この話と「下段の剣」を合わせた内容になっています。そのため、和助は、剣客・松岡重兵衛との絡みが多い。
ドラマでは、磯太郎の育ての親・孫吉と和助との友情がより、クローズアップされています。

脚本=安倍徹郎  監督=高瀬昌弘
出演=平蔵、久栄、酒井、忠吾、村松、竹内、山崎、彦十、伊三次、おまさ、和助(財津一郎)、大工孫吉(小鹿番)、磯太郎(山崎有右)、金谷の久七(高峰圭二)
棟梁喜兵衛(森幹太)

泥鰌の和助役の財津一郎さんは、てなもんや三度笠や、ピアノ頂戴のCMでも有名なコメディアンですが、最近はほとんど顔をみなくなりまいしたね。和助役のニヒルな表情と哀愁を漂わせて演技は、役者としての財津一郎の魅力も引き立ちます。