89年放送:鬼平傑作作品集

血頭の丹兵衛

血頭の丹兵衛(ちがしらのたんべえ) ’89年8月2日放送

【あらすじ】
春から夏にかけ、急ぎ働きの盗賊が出没。首領の名は、血頭の丹兵衛らしい。
ところが、別件で捕縛された小房の粂八は、本物の丹兵衛は殺生をしない本格派の盗賊だと言い張った。平蔵は、偽物捕縛に手を貸すという粂八の言葉を信じ、丹兵衛探索にあたらせます。

【見どころ】
粂八の登場編。身なし子同然だった粂八と、早くに母をなくした平蔵。母親の情愛に縁の薄い二人が、牢の内外で酒を酌み交わしながら語り合うことろは名場面。
ラストに元新国劇の大御所・島田正吾が葦火の喜之助役で登場。
短いシーンですが、強烈な印象を残しています。

【ポイント】
粂八は、原作では平蔵が一度解任される前に捕まっています。
つまり、平蔵が復職するまで、5カ月間役宅の牢内にいたという設定です。
また、最後に茶屋で喜之助と会うのは、平蔵と粂八ではなく、酒井と粂八。
ただドラマのほうが、平蔵を追う粂八の気持ちが生きていたかも。

脚本=野上龍雄 監督=高瀬昌弘 
出演=平蔵、久栄、佐嶋、酒井、粂八、小柳、沢田、村松、竹内、山崎、
血頭の丹兵衛(日下武史)、葦火の喜之助(島田正吾)、小野十蔵(柄本明)
長次(鹿出俊之輔)、お六(村上理子)