90年放送:鬼平傑作作品集

白い粉

白い粉 ’90年10月31日
【あらすじ】
五鉄の三次郎の口利きで、役宅の板前として働いている勘助。
根は真面目だが博打に目がなく、金を貸してくれたのが盗賊とも知らずに、大きな借金を作ってしまう。
その上、盗賊たちは勘助の女房・おたみを誘拐してしまう。
これらは、すべて勘助によって、平蔵の食事に毒薬を入れさせるための策略だったのだ。

【見どころ】
左とん平が、苦悩する胸の内を誰にも言えないという、むずかしい役どころの勘助を好演。
歳が離れた女房を、真から大事にしている中年男の心情をよく出している。
最後に、島送りと決まった勘助のことを、「殿様には申しわけないが、すべては女房の私のためにしたこと。嬉しく思います。」と平蔵に言ってのける、おたみのキャラクターも印象的。

【ポイント】
原作との相違点はほとんどない。ただ勘助を操る盗賊たちは、それぞれ小規模の盗賊のお頭になっている。

脚本=谷口喜羊司 監督=小野田嘉幹、出演=平蔵、久栄、佐嶋、忠吾、沢田、松永、山田、竹内、山崎、三次郎、彦十、勘助(左とん平)、おたみ(甲斐智枝美)、霰の小助(勝部演之)、六蔵(三上真一郎)、花輪の万蔵(袋正)、駒羽の七之助(北村英三)