91年放送:鬼平傑作作品集

下段の剣

下段の剣 ’91年3月20日
【あらすじ】
平蔵の長男・辰蔵は、最近剣の稽古に熱を入れている。それは、辰蔵が通う坪井主水道場にふらりと現れた剣客・松田十五郎の剣法にひかれたからだ。
辰蔵の話を聞いた平蔵は、下段に構えるその独特な剣法から、松田と言う男を昔自分が世話になった、松岡重平衛だと見極める。
まさにその人は松岡出、彼は盗賊の用心棒として名高い男だった。

【見どころ】
若き日の平蔵が、盗賊の一味となる寸前に止めに入った松岡。
「今でもその時、松岡に殴られた痛みを忘れない」という平蔵は、物語の中ではほとんど顔を合わせないが、心で松岡とつながっている。
悪事を重ねてきたが、人間的な幅の広さを感じさせる松岡を、江原真二郎が好演。

【ポイント】
原作は「泥棒の和助始末」。ドラマで松岡は、牛久の小助と組むのだが、原作では泥棒の和助と組む。辰蔵と松岡は立ち合わない。

脚本=安倍徹郎
監督=小野田嘉幹
出演=平蔵、久栄、佐嶋、忠吾、沢田、松永、竹内、山崎、おまさ、彦十、伊三次、松岡重平衛(江原真二郎)、辰蔵(長尾豪ニ郎)、牛久の小助(井上昭文)、不破の惣七(宮内洋)、お歌(斎藤絵里)