90年放送:鬼平傑作作品集

敵(かたき)’90年1月17日
【あらすじ】
三国峠で大滝の五郎蔵は、五井の亀吉の息子・与吉に「親の敵」と襲われる。与吉は事故死。自分に亀吉殺しの濡れ衣が着せられていると知った五郎蔵は、犯人探しを始める。その一部始終を偶然に目撃した岸井左馬之助は、平蔵に報告。平蔵たちが動き出した頃、五郎蔵も真犯人を小麦の傳八だと突き止めていた。

【見どころ】
五郎蔵が初めて登場する物語です。左馬之助がしつこく五郎蔵を付け回すのを五郎蔵は知っており、次第に友情にも似た関わり合いもあるが、最後に平蔵が、わざと五郎蔵に伝八を討たせてやるところが、この物語のポイント。平蔵の深い情味を感じた五郎蔵が密偵になろうとする気持ちを決めたと言っていい。

【ポイント】
五郎蔵の配下、己悲の文助が死病に取り憑かれているのは、ドラマだけのアイデアだそうだ。当然、文助の女で女郎になっている薄幸の女・お浪も原作に登場しない。

脚本=星川清司、監督=原田雄一、出演=出演=平蔵、久栄、忠吾、佐嶋、岸井左馬之助(江守徹)、舟形の宗平(浜田寅彦)、お浪(浅見美那)、小妻の伝八(井上博一)、富治(椎谷健治)、文助(草薙良一)、花屋利兵衛(相馬剛二)